ODRのプロセス
ODRでは以下のプロセスの一部または全部をオンライン上のプラットフォームで行うことが想定されています。
⑴ 情報提供・状況の診断(必要に応じて相談受付)
⑵ オンライン上での交渉(二者間チャット(同期・非同期)等)
⑶ オンライン上でのメディエーション・仲裁(三者間チャット・ビデオ会議等)
⑷ 事後処理・評価(システム利用に関する評価・サービス利用費の支払い・書面作成等)
なお、これらのODRのプロセスを効果的なものにするには、「ODRのアーキテクチャ(制度設計・運用計画)+パイロット運用」のフェーズが重要になります。
どのようなサービスを提供するのかという判断には、各紛争解決機関がODRの活用により何を実現したいかという目標設定次第です。そのため、制度設計の段階における計画立案を個別の事情に即した形で適切に行うことが重要になります。
「パイロット運用(実証実験)」とは、ODRの社会実装を広く行う前に行う小規模の試験的運用のことを指します。ODRにおいてはシステム開発を伴うことから、ODRのサービスを本格的に運用する前に、小規模の試験的運用を行うことが一般的です。具体的には、限られた人数の利用者にサービスを実際に利用してもらい、その使い勝手などの感想をフィードバックしてもらい改善をするなどを行います。
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なお、日本におけるODRのプロセスについては、ODR活性化検討会が次のようなフローを公表しています。諸外国で想定されるODRのプロセスと同じく、紛争解決をかなり広く捉えているのがわかります。
出典:「法的紛争の一般的解決フローの一例」ODR活性化検討会(第3回)配布資料
chart:©︎Colin Rule
(文責:渡邊真由)