JODR (Japan Association for Online Dispute Resolution)

日本ODR協会

Japan Association for Online Dispute Resolution (JODR)

米国|テキサス州でオンライン陪審裁判がスタート

2020年5月18日、アメリカのテキサス州コリン郡の裁判所で、アメリカで初となるZOOMを利用したオンラインでの陪審裁判が行われました。

今回行われたのは予備審問のプロセスで、26名の陪審員候補が自宅から参加。双方の弁護士の質疑を経て、最終的に12名の陪審員が選定されました。このプロセスを始めるにあたって、陪審員候補は、裁判所で行われる陪審裁判と同じルールがオンラインでの審理に適用されること、例えば、この事件について他の人と話をしたり、インターネットで調査をしたりすることが許されないことなどが説明されたようです。

その後、双方弁護士の合意により、裁判ではなく、ADRにて紛争解決プロセスが継続されることになり、初のオンライン陪審裁判の結果は非公開となったようですが、この新たな試みは肯定的に受け取られているとのこと。過去に裁判所で陪審員の経験をしたことがある参加者は、「オンラインの方が証拠などを確認するのが容易」だとして、オンラインの方が良かったと評価をしています。

他方で、オンライン裁判の実現に向けた準備の期間は短かったようで、今回の裁判を担当した裁判官によると、陪審裁判を行うことが決まったのが4月19日とのことで、準備期間が1ヶ月程度だったことが報告されています。

担当をしたミスケル裁判官は、「今後、一定の裁判においてはオンラインの方が適しているということが確認される」ことになり、「従来の裁判手続とオンラインのハイブリッドなアプローチが採用されることになる」であろうと予測しています。

世界的に新型コロナウイルス感染症が拡大し、日本を含めて世界の裁判所でも期日の延期が余儀なくされていますが、このような困難な時期であっても、司法へのアクセスを維持すべきであるとして、世界各国で様々な取り組みが始まっています。

経済活動の再開が各国で模索されているのに対し、感染の第二波や第三波に対する懸念が示されているなど、収束の時期が見通せないのが実情です。今回のコロナウイルスによる感染拡大は、多くの分野でIT化を加速させていますが、司法においても同様に、世界各国における司法のデジタルトランスフォーメーションをさらに加速させることになるでしょう。

参照:NCSC “First remote jury trial shows potential for widespread use

(文責:渡邊真由)

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