JODR (Japan Association for Online Dispute Resolution)

日本ODR協会

Japan Association for Online Dispute Resolution (JODR)

ODRのルール整備に関する世界の動向

■世界の動向

世界各国でODRが急速に普及しつつある現状に鑑み、ODRに関する国際団体であるICODR(International Council for Online Dispute Resolution)では質の高いODRの基準として「 ICODR Standards」を公表しています。他には、UNCITRALが2017年にテクニカルノート、APECが2019年にコラボレーティブフレームワークを公表しています。今後はISO(国際標準化機構)でも、ODRに関する国際ルールづくりが目指されるなど、望ましいODRのあり方やODRの運用に関するルール整備について、各所での議論が活発化しています。

そこで、本稿ではICODRの公表するODRスタンダードの内容をご紹介したいと思います。


■ICODR が公表する質の高いODRの基準

スタンダードを公表する意義

多くの分野でODRが急速に成長しており、グローバルなODRシステムの設計、構造、実務、実装を支えるための倫理基準を確立することが不可欠です。 ここで公表されているICODRスタンダードは、NCTDRがこれまで行ってきたODRの倫理規程に関する研究に基づいて規定されたものです。 これらの規定は、ODRにおけるベストプラクティス、規則、資格、および認証に関する基準となることを目的として設定されています。

ICODRでは、質の高いオンライン紛争解決(ODR)プログラムとは次の条件を満たす必要があると考えています。

アクセス:ODRは、当事者の代理権を制限することなく、見つけやすく、参加しやすいものでなければなりません。 ODRは、モバイルチャネルとデスクトップチャネルの両方で利用でき、参加者のコストを最小限に抑え、さまざまな身体能力レベルの人が簡単にアクセスできるようにする必要があります。

説明責任:ODRシステムは、サービスを提供する機関、法的枠組み、およびコミュニティに対して継続的に説明責任を負う必要があります。

効率性:ODRプロバイダーは、対象とする分野において、有能で効果的なサービスを提供するために必要な紛争解決、法、技術、言語、文化に関する専門知識を有している必要があります。 ODRではサービスがタイムリーに提供されること、利用者の時間を無駄にしない配慮が必要です。

機密保持:ODRは、a)誰がどのデータを閲覧するか、b)そのデータをどのように使用できるかについて、公開したポリシーにしたがって、両当事者のコミュニケーションの機密性を維持する必要があります。

公平性:ODRはすべての参加者を敬意と尊厳をもって扱わなければなりません。 ODRを通して声なき声が届くように配慮がなされることが重要です。また、ODRプロセスでは、オフラインの特権と欠点が再現されないように工夫する必要があります。

公正/中立:ODRは、個人、グループ、または組織に対してバイアスや利益を伴うことなく、すべての当事者を公平に、デュープロセスにしたがって扱わなければなりません。プロバイダー、参加者、およびシステム管理者に利益相反がある場合は、ODRサービスの提供前に開示する必要があります。

法的観点:ODRは、関連するすべての管轄の法律を遵守しなければなりません。

安全性:ODRプロバイダーは、収集されたデータやODRサービス利用者間の通信内容を許諾を得ていない第三者と共有してはなりません。何らかの違反があった場合には、その情報を利用者にタイムリーに通知する必要があります。

透明性:ODRプロバイダーは、a)紛争解決プロセスと結果に関する方法と法的拘束力、b)ODRを利用するメリットとデメリットを事前に明示的に開示する必要があります。 ODRに関するデータは、事実を曲げたり、文脈を無視したりされることのないよう収集、管理、提示されなければなりません。

Cited from ICODR Standards

(文責:渡邊真由)

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