JODR (Japan Association for Online Dispute Resolution)

日本ODR協会

Japan Association for Online Dispute Resolution (JODR)

新型コロナウイルスの世界的拡大と法的支援ニーズ

世界中で感染の拡大が続く新型コロナウイルスは、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。

このような時期に法的支援をいかに届ければよいのでしょうか。

アメリカではABA(米国法曹協会)が主導して、コロナウイルスのパンデミックにより、法的支援を必要とする人々を支援するためのタクスフォースチームが設置されました。このチームには、全米の弁護士や裁判官らがボランティアで参加しているとのこと。

このチームをリーガルサービスコーポレーション(民事法律扶助を行うアメリカの政府系団体)の前プレジデントで、これまで低所得者層向けの法的支援の拡充を推進してきたジム・サンデマン氏が指揮、そして、タスクフォースを設置する意義について、ABAの現プレジデントである、ジュディ・ペリー・マルティネス氏は、次のように述べています。

パンデミックが広がるにつれて、何千人ものアメリカ人が支援を必要としています。その支援とは医療に関する問題だけでなく、失業や住居からの強制退去、保険の請求や家族の緊急事態への対応、政府からの支援をいかに確保するなど様々です。

そして、このタスクフォースでは、どこに法的支援のニーズがあり、何を支援すれば人々の状況を大きく変えることができるのかを調査するとのことです。

日本においても、新型コロナウイルス感染症に関連して、緊急対応策が示されたり、事業者向けの情報提供個人事業主やフリーランスとの取引に関する要請などが出されています。しかし、制度の利用には一定の要件があり望む人すべてが利用できるわけではありません。また、政府から事業者に対し要請が出されてもそれが常に守られるとは限りません。

コロナウイルスの影響は長期化することが予測されています。新たな制度の創設と合わせて、様々な問題に直面した個人の個別的なサポートを可能にする仕組みの検討が必要になるのではないでしょうか。

その際、感染のさらなる拡大を防止するためにも、オンライン上での手続をベースにした仕組みが採用されることが期待されます。

(文責:渡邊真由)

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