イギリス|電話&ビデオ会議による裁判件数が1日あたり約3,000件に
コロナウイルスの影響で、世界各国の裁判所で期日が延期になっていますが、このような状況下でも司法へのアクセスは維持されるべきであるとして、各国で様々な取組みが始まっています(例えば、アメリカではオンライン陪審裁判が開始)。
コロナ以前から司法制度のIT化を積極的に推進していたイギリスでは、3月23日から電話やビデオ会議システムを利用した審理を開始。当初は1日あたり500件程度だったものの、1ヶ月後の4月24日には、1日あたりの件数が2,800件へと急増しています。それに対し、対面での審理は400件と少なく、電話およびビデオ会議の割合が約90%に達していることが公表されています。
今後、データ収集の方法が修正される可能性もあり、正確な数字ではないとの注意書きがありますが、短期間で電話やビデオ会議システムの利用が急拡大していることは間違いないようです。
もちろん複雑な事案をオンラインで行なっているわけではないようですが、特に大きな問題は生じていないとのこと。短期間で技術を活用する方向に転換できたことを受け、イギリスにおける司法のIT化を推進するサスカインド教授も、「これまでのやり方に戻すべきではない」と指摘しています。
参照:Courts and tribunals data on audio and video technology use during coronavirus outbreak
(文責:渡邊真由)