JODR (Japan Association for Online Dispute Resolution)

日本ODR協会

Japan Association for Online Dispute Resolution (JODR)

NCSCが新たなODRアセスメントツールを公表

NCSC (National Center for State Courts/米州裁判所センター)は、トーマス・M・クラーク&ポーラ・ハンナフォード・アゴール著「司法プログラムへのアクセスの影響を測定する:資金提供者と政策立案者のための評価ツール」と題する新しい論文を発表しました。

この論文では、主にLitigant Portal※とODRに焦点をあて、司法へのアクセスを拡大するためのさまざまな戦略の費用対効果を評価するための指標を提示しています。本論文でA2J機能(Access to Justice、正義へのアクセス)を客観的かつ比較可能な値として計算するために考案された方程式は次のとおりです。

次に本論文では、この方程式をODRを含むさまざまなA2Jアプローチに適用して分析を加えていますが、 ODRを導入するメリットに関する分析の抜粋は以下の通りです。

「まず、ODRの利用をしたが他の法律サービスを使用しなかった人々の割合を計算します。ODRにアクセスした人数:190,000人×他の法律サービスを使用しなかった割合:76%× ODRの利用で肯定的な結論に至った割合:75= 108,300人。次に、ODRよりも、他の法的サービスを使用してより良い結果を得た人数を計算します。ODRにアクセスした人数:190,000人×ODRに加えて他の法的サービスも使用した割合:24%×他の法的サービスで次善の結果となった割合:44%× ODRの利用でよりよい結果となった 割合:70%= 14,045人。最後に。この2つの結果を合算します。108,300人+ 14,045人 = 122,345人ODRの利用者として想定した243万人のうち5%にODRがリーチしたことになる)。

この計算方法からも、このモデルを簡単に説明することは難しいことがわかります。ただ、このような指標を設定することでさまざまなA2Jアプローチを比較するのに役立ちます。裁判所でODRを導入するにあたり、その価値の測定の参考になると考えられています。

※レポートの全文はこちらからご確認いただけます

※Litigant Portalの詳細についてはこちらから

Original Post: New ODR Impact Assessment Tool from NCSC

(文責:渡邊真由)

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