ODRに関する記事で設立記念イベントをご紹介いただきましたーForbes JAPAN
2022年5月9日に公開されたForbes J APANの記事、『ネット取引やメタバースで増えるトラブル。「ODR」は紛争解決のイノベーションになるか』にて、当協会の渡邊理事のコメントが掲載されるとともに、2月に開催をした設立記念イベントの様子をご紹介いただきました。
渡邊理事のコメント:
ODR(Online Dispute Resolution)、文字通り、ITやAI技術を活用して紛争解決を実現しようとするもので、リーガルテックの一種です。これまで裁判や裁判外紛争解決手続(ADR)といえば、対面で行うのが当然でした。ただ、従来の手続きは、時間やコストがかかります。他にも心理的負担など様々なハードルがあり、解決をあきらめる人も多いです。
他方で、技術を活用してデザインを工夫すれば、紛争解決プロセスをより身近で便利なものに変えることもできます。例えば、法的情報の提供、トラブル状況の診断、当事者間の交渉、第三者を介した対話など、ODRであれば、トラブルの発生から解決までをシームレスにつなぐことが可能です。法的サービスの利便性が高くなれば、利用してみようと思う人も増えるはずです。司法の空白地帯を防ぐことにもなり、紛争解決の体験を大きく変える可能性がある。そういう意味で、ODRは紛争解決におけるイノベーションになり得ると考えられています
イベントについて:
政府による推進以外にも、ODRの社会実装に向けた活動が始まっている。日本ODR協会の設立記念シンポジウムでは、eBayのODRを手がけたことでも世界的に知られる、Colin Rule氏がホログラムで基調講演を行なった。
その際に聞かれたのが「分散型紛争解決」(Decentralized Justice)という言葉だ。例えば、フランスのKleros[8]は、ブロックチェーン技術を活用したODRを提供するリーガルテック企業だが、同社のODRは、誰でも陪審員として紛争解決プロセスに参加でき、その報酬としてトークンを得ることができるというモデルだ。CEOのFederico Ast氏は、「国籍を問わず、匿名で参加できるのがメタバース空間。何か問題が生じても、従来の司法制度では対応できない。新たな解決の仕組みが必要だ。」という。
ぜひご覧いただければ幸いです。
画像:Forbes JAPAN『ネット取引やメタバースで増えるトラブル。「ODR」は紛争解決のイノベーションになるか』(2022年5月9日掲載)森若幸次郎氏によるコラムのメイン画像のスクリーンショット